青見平のたまご屋さん

青見平のたまご屋さん

 

 

鶏さんたちに会いに、青見平のたまご屋さんにお邪魔しました。

4月8日、この時期にしては珍しく前日に降った雪が残っていました。

絹田さんちの番犬。 名前は「おかき」です。

 

 

はじめに絹田ご夫妻のご紹介です。

絹田さんの出身は京都です。

京都の農業高校、神奈川の大学で農業を学びました。

卒業後は北海道で農業関係の会社に従事した後、南信州・阿智村で就農。

その後、現在の下条村に移り現在に至っています。 奥さまも同じ大学で農業を学び、現在、ふたりで鶏を飼い、麦などの穀物を育てています。

農業に対してしっかりした考えを持っているご夫婦です。

 

 

こちらが鶏舎です。

元は果樹園だったところ、山の中のとても環境の良い場所です。

この日はあいにく小雨が降っていましたが、晴れるとアルプスが望めてとても気持ちの良いところです。

 

 

元気な鶏さんたち!

雛から育てているので、人なつこい感じがします。

かわいいですね。

 

 

餌について色々教えていただきました。

この時期にメインになっているのが、米ぬかです。

米ぬかは、ビタミン・ミネラル・食物繊維などが豊富です。

ここに、一般にはタンパク質・アミノ酸として魚粉を加えますが、内臓が含まれていたりするので卵の生臭さの原因になります。

こちらでは、魚粉の代わりに鰹節の出汁がらをタンパク質として与えています。

また、アミノ酸を含む醤油粕、さらにカルシウムを補給するため牡蠣殻を混ぜます。

醤油粕・鰹節の出汁がらなどは、地元の醸造所や蕎麦店から提供されています。

食べ物は、絹田さん自身で安心できるものを揃えています。

 

 

青草のある時期は刻んで与えますが、この時期はサイレージをあげます。

絹田さんのところでは、刻んだ草をなるべく空気が入らないようにドラム缶に詰めて乳酸発酵させています。

草を乳酸発酵させた、草のお漬物みたいな感じですね。

 

 

他に麦や米もあげます。

これはサイレージと同じように床にそのまま撒いてあげます。

冬の時期は、草よりも麦や米などのカロリーの高いものを好んで食べるようです。

そのために卵の黄身の色が薄くなりますが、栄養分は高いです。

他にも植物性タンパク質のオカラや、緑餌の代わりに柿の皮などもあげています。

鶏の身体の事を考えて育てているのが良くわかりました。

 

 

鶏の種類は「あずさ」という国産の鶏です。

茶色が卵を産む雌で、白い雄が数羽いっしょにいます。

鶏舎に入っても怖がることなく、近くに寄ってきます。

かわいいです!

 

 

これは、とまり木です。

夜はみんなここに止まって寝るそうです。

床で寝てしまうと、塊りになってしまい圧迫されたり、蒸れて病気の原因になってしまいます。

夜中に床に寝ている鶏もここに乗せてあげると、ちゃんと止まり木で寝るようになるそうです。

 

 

こちらは産卵箱です。

暗い場所を作ってあげると、ここで卵を産みます。

中をのぞいてみると、何もないのでまだ産んでないのかな? 

と思っていたら、後ろに転がるようになっていました。

 

 

鶏舎の外に出てみると、産卵箱の後ろに卵が転がってきていました。

とてもきれいな卵です。

 

 

鶏舎の床には広葉樹のチップ(薪を作るとき、チェンソーで切った時に出た荒いおが屑)が敷き詰められています。

餌の残りや糞と混じって分解されて、掘ってみると中が暖かくなっています。

サイレージの乳酸菌や酵素など、菌が入って良い感じに発酵してるようですね。

この床は動物の匂いがしません。山の匂いがします。

定期的にチップを入れ替えて、取りかえた床は畑に撒くと肥料にもなるそうです。

 

 

青見平のたまご屋さんの鶏たちに会えて、また絹田さんのお話しを聞くことができて良かったです。

とても大切に育てられている鶏たちだなぁ! と感じました。

 

 

美味しい卵をどうぞ!